日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
画像診断上特異な像を呈した膵癌4症例の検討
粘液産生著明な膵癌について
福本 孝笠原 小五郎天目 純生安田 是和石橋 久夫Carlos Federico Canton柏井 昭良金澤 曉太郎山口 隆子斎藤 建
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1986 年 83 巻 10 号 p. 2201-2208

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抄録

膵粘液癌を含む粘液産生著明な膵癌の4例の超音波検査, CT, 血管造影について分析し, 臨床病理学的検討をおこなつた. 超音波検査では, 内部エコーの echogenicity の増強と一部小さい斑状のechogenicity の弱い部分が混在する腫瘤像が得られ, CTでは腫瘤内に輪郭の不明瞭な low density area を有する辺縁不鮮明な腫瘤で, 血管造影では, 腫瘍濃染により輪郭が明らかになる. ERCPでは, 主膵管内に粘液貯瘤をきたし, 癌研ERCP III型膵癌の形態をしめすことがある. 大きな腫瘤となり, gelatin 様の外観を呈し, 粘液による膵管の拡張を示すことがある. 以上により画像診断において粘液産生著明な膵癌は特異な像を呈しうることが示唆された.

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