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徳冨 正, 春間 賢, 田利 晶, 上村 直実, 吉原 正治, 関藤 雅喜, 豊島 仁, 大越 裕章, 忌部 明, 稲葉 義郎, 隅井 浩治 ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2125-2131
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
X線学的に Retrospective Study 可能であつた食道癌11例について, 発育速度を中心に検討を行なつた. X線上の腫瘍長径の変化をもとに草間等の方法に従い算出した Doubling Time は平均3.3カ月, 約100日であつた. また, X線上表在癌と診断した7例が進行癌へ至る経過は4~20カ月, 平均14.3カ月と短期間であり, 初回X線で進行癌と診断した3例も, 4~11カ月の間にX線上急速な発育増大を認めた. 一方, 14カ月間, X線上所見陽性の状態で早期癌にとどまつていた症例も1例存在したが Doubling Time は3.3カ月と短期間であつた. 以上より, X線上診断可能な大きさに達してよりの食道癌の発育速度は急速であると考えられた.
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橘 眞理, 山本 泰朗
1986 年 83 巻 10 号 p.
2132-2138
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
急性胃アニサキス症20症例を対象としIgE型アニサキス抗体をRAST法で測定, 85%で陽性成績を得た. 抗体価は感染1~2日後より急上昇し, 3~5週で最高に達し, 以後ゆるやかに低下する. 一方, 横川吸虫症, アレルギー性疾患での抗体陽性率は, 夫々33%, 14%で抗体価は軽度上昇にとどまつた. アニサキス蔓延推定地域での一般住民及び一般外来患者の抗体陽性率は, 夫々26%及び31%であつたが, 短時日での抗体価の変動は認められないので, この数値は一般住民のアニサキス感染既往率, または他の線虫類感染及び既往率を示す可能性が考えられた. これらの成績よりIgE型アニサキス抗体の測定は, 特に経時的な変化を捉えることにより, 急性胃アニサキス症の補助的な診断方法として有用と考えられた.
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矢島 義昭, 大槻 昌夫, 鈴木 勃志, 宮崎 豊, 小野寺 博義, 及川 正道, 阿部 真秀, 木村 敏, 千田 信之, 後藤 由夫, 太 ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2139-2144
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
宮城県内の農村部である一迫町において, 40歳以上の希望者を対象として, 超音波検査を用いた脂肪肝の疫学調査を実施した. 受診者総数は814名で, 集検対象人口の14.5%に相当し, 男365名, 女449名であつた. 希望者を対象としているので多少の bias はあるものの, 40歳以上の農村住民における脂肪肝の頻度は概ね7%であつた. 脂肪肝の原因の約80%は肥満と考えられ, 常習性飲酒の関与は僅かに3.4%であつた. 脂肪肝の肝機能異常率は約20%であり, 肝機能異常例の多くのものがGPT<50IU/Lであつた. 今後, 超音波集検における追跡調査によつて, これら脂肪肝の病態及び予後について明らかにしていく予定である.
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岡 博子, 栗岡 成人, 金 鎬俊, 貫野 徹, 針原 重義, 山本 祐夫, 門奈 丈之
1986 年 83 巻 10 号 p.
2145-2150
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
外来通院中の肝硬変患者160名をアルファフェトプロテイン (AFP) および超音波エコー (US) による定期的検査により2年10カ月にわたり追跡した. 2年間に肝細胞癌 (HCC) と確定診断されたのは16症例で, 累積HCC発生率は13.8%となつた. 性, 年齢, HBs抗原の有無について多変量解析を行つた結果, HBs抗原がHCC群と非HCC群の判別に有用であつた. 発見されたHCCでは径2cm以下が8例で, うちUSによる発見例が7例を占めた. HCCを早期に効率良く発見するために, 高危険群である肝硬変患者の定期的なUSおよびAFPによる検査を続けることの有用性が示唆された.
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杉浦 信之, 大藤 正雄, 木村 邦夫, 奥田 邦雄, 近藤 福雄, 広岡 昇
1986 年 83 巻 10 号 p.
2151-2160
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
門脈腫瘍塞栓を有する肝細胞癌116例について, 腫瘍塞栓の門脈内存在部位別に各種画像診断 (超音波, X線CT, 血管造影) による腫瘍塞栓の検出率, ならびに臨床所見を検討した. また, 腫瘍塞栓を経時的に超音波で観察した11例について, 臨床所見の推移を検討した.
腫瘍塞栓に関し超音波が最も高い検出率を有した. 臨床所見については, 腫瘍塞栓が門脈幹に存在する例は門脈末梢枝に存在する例と比べて肝障害や食道静脈瘤の程度が高度であり, 予後は不良であつた. 腫瘍塞栓の進展は発育速度と連続性から3型に分類され, 発育が速いものは予後不良であつた. また, 主腫瘍の存在範囲と腫瘍塞栓との関係は4型に分類され, 腫瘍が小さいうちに腫瘍塞栓を形成してくる 例があつた.
腫瘍塞栓は肝細胞癌の病態や予後に関係が深く, その診断および治療は臨床上重要な意味をもつ事を明らかにした.
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瀬川 徹
1986 年 83 巻 10 号 p.
2161-2173
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝切除時の細網内皮系 (以下網内系と略) 機能の変動を検討するために, 正常肝及びCCl
4硬変肝ラットを対象としコンドロイチン硫酸鉄コロイドを用い経時的に網内系機能を測定した, 硬変肝ラットの術前の phagocytic index (P.I.) は正常肝ラットに比べ有意に低下を示したが, 主に肝 Kupffer 細胞の機能低下によるものと考えられた. 更に硬変肝ラットでは脾及び肺における uptake 率が増加し, 特に肺での増加が著明であつた. 肝切後のP.I.は正常肝, 硬変肝共に術後早期より低下し, その低下率は肝切除量に相当する以上の減少率であつた. しかし正常肝30%切除群では3日目, 70%切除群では5日目に単開腹群と同程度にまで回復したが, 硬変肝では回復の遅延傾向を認めた. 術後の uptake 率は両群共肝での減少に伴い肺では増加し, 特に大量切除, 硬変肝切除で顕著であつた.
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近藤 英明
1986 年 83 巻 10 号 p.
2174-2180
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胎児牛皮より調製したプロコラーゲンを含むタイプIIIコラーゲン分画を抗原としてタイプIIIプロコラーゲンN末ペプチドの Col 2部分に対するモノクローナル抗体とα
1 (III) に対応するモノクローナル抗体を作製した. 抗 Col 2抗体はヒトとの交叉反応性を有しており, 酵素抗体法により皮膚, 肺, 脾, 肝の結合組織が免疫染色された. 特に正常肝では小葉間結合組織より類洞側の肝細胞周囲に強い染色性がみられ, 成人より胎児の方が染色性は強かつた. 肝癌2例では癌組織およびその被膜結合組織に比し, 周辺非癌部組織にむしろ染色性が見られた.
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宮林 千春, 井上 恭一, 高原 照美, 松井 俊二郎, 小島 隆, 佐々木 博, 大島 章, 岩田 和士, 吉田 真一
1986 年 83 巻 10 号 p.
2181-2189
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
血清中のプロリン水酸化酵素 (PH) 量をプロリン水酸化酵素に対する多クローン抗体および単クローン抗体を用いたEIA法にて測定し, 肝線維化との関連を検索した. 健常者血清を対照とし, 非特異的反応性肝炎 (NSRH), 急性ウイルス肝炎 (AVH), 慢性非活動性肝炎 (CIH), 慢性活動性肝炎 (CAH), 非アルコール性肝硬変 (LC) およびアルコール性肝疾患 (ALD) について検討した. その結果, 各種肝疾患における血清PH値は対照群に比しすべて高値を示し, 肝疾患群ではNSRHに比べてCAH, ALD, LCでは有意に高く, AVHで有意に低値を示したが, NSRHとCIHの間に有意差を認めなかつた. また組織像との関連については線維化の程度が高度であるほど血清PH値は高値を示す傾向を認めた. 以上より血清PHの定量は肝線維化を反映する1つの生化学的指標として有用であることが示唆された.
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結石中心部信号について
森安 史典, 伴 信之, 西田 修, 中村 武史, 宋 泰成, 川崎 俊彦, 玉田 尚, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 藤堂 徹一郎, 武田 ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2190-2195
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
超音波検査, X線CT検査などで診断されている34例の胆石症において, 胆嚢の磁気共鳴映像 (MRI) を検討した. 全例において, 胆嚢結石は無信号域として描出されたが, そのうち6例においては, 結石の無信号域の中心に spin echo 法で比較的強い信号を認めた. これらの信号を有する結石は, 摘出後の分析ではいわゆる混合石であり, 中心部はコレステロールから成り, 放射状構造を示した. この中心部の信号は, 結石内の裂隙に存在する水のプロトンに由来すると思われ, 結石の成分•構造を示唆する重要な所見と思われた.
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布施 好信, 辻 俊三, 谷脇 雅史, 中島 悦郎, 竹田 彬一, 香川 恵造, 瀧野 辰郎
1986 年 83 巻 10 号 p.
2196-2200
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胆石症45例を対象として血清CA19-9をRIA法で測定し, その臨床的意義について検討した. 胆嚢内結石症では29例中8例 (27.6%) に, 総胆管結石症では16例中11例 (68.8%) にCA19-9が37U/ml以上の高値を示した. 臨床症状との関係では有症状群, とくに胆嚢炎, 胆管炎, 閉塞性黄疸などを伴う例で陽性率が高く, 最高2,350U/mlであつた. CA19-9陽性例の推移をみると, 胆嚢内結石症では炎症の改善により全例低下した. また, 総胆管結石症では血清総ビリルビン値とCA19-9との間に有意の正の相関がみられ, 減黄により全例正常化した. 以上よりCA19-9は胆汁中にも分泌されており, 胆嚢炎や胆管の閉塞機転に際しては血中に逸脱するものと考えられた.
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粘液産生著明な膵癌について
福本 孝, 笠原 小五郎, 天目 純生, 安田 是和, 石橋 久夫, Carlos Federico Canton, 柏井 昭良, 金澤 曉 ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2201-2208
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
膵粘液癌を含む粘液産生著明な膵癌の4例の超音波検査, CT, 血管造影について分析し, 臨床病理学的検討をおこなつた. 超音波検査では, 内部エコーの echogenicity の増強と一部小さい斑状のechogenicity の弱い部分が混在する腫瘤像が得られ, CTでは腫瘤内に輪郭の不明瞭な low density area を有する辺縁不鮮明な腫瘤で, 血管造影では, 腫瘍濃染により輪郭が明らかになる. ERCPでは, 主膵管内に粘液貯瘤をきたし, 癌研ERCP III型膵癌の形態をしめすことがある. 大きな腫瘤となり, gelatin 様の外観を呈し, 粘液による膵管の拡張を示すことがある. 以上により画像診断において粘液産生著明な膵癌は特異な像を呈しうることが示唆された.
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鈴木 敏行, 鈴木 邦彦, 小林 英治, 小川 裕, 川村 益生, 中井 富夫, 鈴木 貞輔, 早川 哲夫, 野田 愛司, 近藤 孝晴, 柴 ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2209-2215
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
Secretin 100単位 one shot 静注法による secretin 試験 (S試験, 正常群28例, 慢性膵炎30例) とpancreozymin secretin 試験 (PS試験, 正常群50例, 慢性膵炎43例) とを比較検討した.
1) S試験正常対照群の総液量, アミラーゼ総排出量, 最高重炭酸塩濃度の成績はPS試験におけるsecretin 静注後の各因子と差を認めなかつた.
2) 体重に関係なく secretin 100単位を投与したS試験では正常対照群の各因子と体重との相関は認められず, また, 変異係数の減少もみられなかつた. 各因子の判定において体重換算は必ずしも必要でないと考えられる.
3) 慢性膵炎I群におけるS試験の異常率はPS試験と差を認めなかつた. したがつてS試験はPS試験同様有用な膵外分泌機能検査法である.
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多方向スキャンの有用性
宋 泰成, 森安 史典, 伴 信之, 中村 武史, 西田 修, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 武田 保秀, 内野 治人, 三宅 健夫
1986 年 83 巻 10 号 p.
2216-2222
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
上腹部MRI (磁気共鳴映像) 診断におけるマルチスライス-多方向スキャンの臨床的有用性を検討した. 横断•冠状断•矢状断三方向の断層面をマルチスライス法にて撮像し, 各断層面において臓器同定能と臨床的有用性を比較検討した. 肝の描出能は横断像が最も優れるが, 矢状断像は肝下面と腸管ガスとの分離描出に有利であつた. 胆嚢は多方向から観察可能であつたが, 高信号域として腸管から鑑別されるスピン•エコー法 (SE法) が描出に優れていた. 膵の描出は横断像が最も優れ, 矢状断像がそれに次ぐが, 冠状断像では同定困難であつた. 大動脈•下大静脈は冠状•矢状断像, 門脈は冠状断像において縦断像が得られ全体的把握が可能であつた.
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大塚 光二郎, 二村 雄次, 高江洲 裕, 横井 俊平, 塩野谷 恵彦, 安井 健三
1986 年 83 巻 10 号 p.
2223-2226
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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杉江 元彦, 嶋田 満, 稲垣 貴史, 飯塚 昭男, 桑原 由孝, 早川 誠, 中田 進, 楠神 和男, 森瀬 公友
1986 年 83 巻 10 号 p.
2227-2231
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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諏訪 昭, 飯野 朗子, 朝倉 均, 小平 進, 倉持 茂, 土屋 雅春
1986 年 83 巻 10 号 p.
2232-2237
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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日置 正人, 北野 厚生, 小畠 昭重, 押谷 伸英, 吉安 克仁郎, 橋村 秀親, 松本 誉之, 大川 清孝, 小林 絢三, 川端 政實, ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2238-2242
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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有賀 明子, 渡辺 恒家, 桧山 義明, 明星 志貴夫, 鈴木 治男, 杉浦 信之, 木村 邦夫, 奥田 邦雄
1986 年 83 巻 10 号 p.
2243-2247
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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竹村 俊樹, 岸 明彦, 山村 義治, 伊谷 賢次, 粉川 隆文, 吉川 敏一, 杉野 成, 福本 圭志, 近藤 元治, 牧野 弘之, 弘中 ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2248-2253
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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松田 博人, 伊部 直之, 京井 優典, 大家 他喜雄, 中川 正昭, 清水 博志, 林 守源, 上野 敏男, 竹田 亮祐
1986 年 83 巻 10 号 p.
2254-2257
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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田中 淳司, 宮城島 拓人, 黒川 美朝, 大饗 由之, 國枝 保幸, 髭 修平, 後藤田 泰也, 樋口 晶文, 田村 康史, 笠井 正晴, ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2258-2263
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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CEA, CA19-9, KM01産生ヒト胃癌
犬房 春彦, 相良 憲幸, 原 聡, 坂口 隆啓, 高木 宏己, 田中 晃, 浜田 宏, 奥野 清隆, 岩佐 善二, 安富 正幸
1986 年 83 巻 10 号 p.
2264
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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溝口 靖紘, 藤信 裕美子, 児玉 千枝, 久保井 広志, 李 載澹, 筒井 ひろ子, 宮島 慶治, 阪上 吉秀, 関 守一, 荒川 哲男, ...
1986 年 83 巻 10 号 p.
2265
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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伊東 進, 辻 泰弘, 北川 直之, 石原 昭彦, 春藤 譲治, 森 博愛, 渡邊 博文, 横石 文夫
1986 年 83 巻 10 号 p.
2266
発行日: 1986年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー