日本消化器病学会雑誌
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免疫性肝細胞障害におよぼす polyenephosphatidyl choline の影響
児玉 千枝溝口 靖紘山本 祐夫森沢 成司
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1988 年 85 巻 12 号 p. 2596-2600

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抄録

Propionibacterium acnes (P. acnes) 加熱死菌をマウスに静注し, 一定期間後に少量のlipopolysaccharide (LPS) を静注すると, ほとんどのマウスは死亡し, その肝には広範な壊死像が認められる. このP. acnes 処理7日後のマウス肝から Kupffer 細胞を含む粘着性細胞を分離し, in vitro でLPSを加えて培養すると, 培養上清中に著明な肝細胞障害因子活性が検出され, 本因子が肝障害を惹起する. この細胞障害因子による初代培養マウス肝細胞障害に対し, polyenephosphatidyl choline (PPC) がどのような影響をおよぼすかについて検討した. その結果, PPCは肝細胞障害因子による肝細胞障害を阻止した.

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