1988 年 85 巻 2 号 p. 173-177
糖尿病患者において胃排出能が食後血糖動態に及ぼす影響について人工膵を用いて検討を行つた. 人工膵は血糖値を一定にフィードバックコントロールした場合, インスリン注入動態は間接的に血糖動態を反映している. 胃排出が遅延した患者では人工膵による1日総インスリン注入量に対する食後インスリン注入割合が低く, 胃排出能と食後インスリン需要との間には密接な関係が認められた. すなわち糖尿病患者において胃排出能は食後血糖調節の上で重要な因子であると考えられた.