日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
新しい胃排出能検査法の開発
Sulfamethizole カプセル食法による固形食胃排出能の検討
浅田 武夫佐古 伊康福島 豊三宅 健夫浅田 照夫
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キーワード: 胃排出能, カプセル食
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1989 年 86 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

われわれは簡便な胃排出能検査法として, sulfamethizole 含有のカプセル食を用いる方法を開発した. カプセル食は生理的食塩水や塩酸中では sulfamethizole を軽度遊出するのみであるが, 重炭酸ナトリウム水溶液中では急速にほぼ全量を遊出した. 胃排出能は被験者にカプセル食を摂取させたのち, sulfamethizole の血中濃度を測定して評価した. カプセル食を摂取すると, sulfamethizole 血中濃度は初期15分間ほとんど上昇せず, その後漸増して, アイソトープ法で報告されている固形食の胃排出パターンに近似した. カプセル食と食パンを同時に摂取すると, カプセル食の胃排出は遅延した. 本法は固形食の胃排出能の評価に臨床的に有用と考えられる.

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