日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
慢性非A非B型肝炎のインターフェロン治療
短期および長期投与の対比
小俣 政男多田 稔細田 和彦高野 進田川 まさみ今関 文夫横須賀 収伊藤 よしみ大藤 正雄
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1990 年 87 巻 6 号 p. 1430-1435

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抄録

インターフェロン治療終了後の肝機能の持続的改善を指標とし本検討を行つた.
非A非B型肝炎16例に対しα型インターフェロンを短期 (7~13週) および長期 (1年間) 投与し, 治療終了後少なくとも1年間の肝機能の推移, およびC型肝炎ウイルス抗体の変化を検討した. 長期投与8例全例で治療終了後の肝機能は正常化した. 一方短期投与例で治療後肝機能の正常化を見たのは8例中1例のみであつた. さらに, 抗HCV抗体陽性で長期投与を受けた5例中2例は陰性化したが, 短期投与6例中陰性化したのは無かつた. インターフェロン長期療法はC型肝炎ウイルスの感染形態の自然経過を変え, 慢性肝炎の予後を変える可能性が示唆された.

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