日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
87 巻, 6 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 松本 章夫, 三好 博文, 高田 興, 林 勝吉, 浅田 修二, 平田 一郎, 大柴 三郎
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1343-1349
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    EOを用いた内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 (EIS) 時にHpを投与し, その影響を血中遊離 hemoglobin (FHb) の変動と腎機能の変化より検討した. 対照群において血中FHb量の増加 (ΔFHb) はEOの静脈瘤内注入量と正の相関を示した. そしてこれらの症例では, EIS直後に遊離Hpが血中より消失した. しかしHp投与群ではFHbの増加はなく遊離Hpの減少も認められなかつた. 対照群では尿中β2-microglobulin, NAGの増加が認められたがHp投与群では認められなかつた. 以上より, EOを静脈瘤内に大量注入する可能性の高い初回EIS時にHpを投与すれば, 血中FHbの増加も認められず, 腎機能障害の可能性も低下すると考えられた.
  • 誉田 芳孝, 坂本 長逸, 西崎 朗, 中野 修, 松田 康平, 和田 謙, 長尾 宗彦, 的崎 尚
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1350-1356
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    モルモット単離胃主細胞に対するエタノールの作用を検討した. 300mMから900mMのエタノールは単離胃主細胞の viability に影響をあたえることなく主細胞からのペプシノーゲン分泌を刺激した. エタノールのペプシノーゲン分泌刺激作用はエタノールの細胞内カルシウム濃度 ([Ca2+]i), 初期Ca2+流入率増加作用に平行し, これらの反応は, EGTAやLa3+を添加することにより抑制されたが, ベラパルミルやニフェジピンでは抑制されなかつた. Cholecystokinin C端 ocatapeptide (CCK8) 刺激時にもペプシノーゲン分泌, [Ca2+]i, 初期Ca2+流入率の上昇は観察されたが, CCK8刺激による[Ca2+]i上昇作用はエタノールとは異なり, 細胞内Ca2+の移動と細胞外液Ca2+に依存していた. 以上の結果はエタノールがCCK8刺激時とは異なる系を介して細胞外Ca2+の流入を惹起し, その結果ペプシノーゲン分泌を刺激する可能性を示唆している.
  • 永田 博司, 森下 鉄夫, 南谷 晴之, 鈴木 雅之, 末松 誠, 三浦 総一郎, 朴沢 重成, 織田 正也, 土屋 雅春
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1357-1363
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットの左胃動脈本幹, 左胃動脈後枝, 右胃大網動脈に反復電気刺激を加え, 粘膜微小循環障害に基づく急性胃粘膜病変を作成した. 左胃動脈本幹の還流領域の粘膜血流は, 電気刺激時には正常時の35%以下に減少した. 病変の分布と各支配動脈の還流領域との関係を検討すると, 左胃動脈本幹刺激群, 左胃動脈後枝刺激群, 右胃大網動脈刺激群の病変のそれぞれ85.8%, 84.5%, 53.4%は, 刺激を加えた動脈の平均還流領域内に発生した. 病変のそれぞれ95.4%, 95.3%, 74.1%は当該動脈の最大還流領域内に発生し, また病変の0%, 5.4%, 5.0%が前庭部に認められた. 以上の成績から, 胃体部粘膜病変の大部分は, 微小循環が障害された領域に局在することが示唆された.
  • 秋本 真寿美, 重本 六男, 石川 雅枝, 山縣 英晴, 栗原 毅, 高田 茂登子, 三輪 洋子, 赤上 晃, 勝 健一, 山内 大三, 前 ...
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1364-1370
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    内皮細胞由来血管収縮因子である endothelin (ET) を経動脈的に投与し, ラット胃粘膜血流量や胃粘膜 prostaglndins (PGs)•胃粘膜病変への影響について検討した. ET投与直後より胃粘膜血流量は低下し, 血流量が最低となる30分後に, PGsは最高値を示した. 90分後PGE2は低下し, PGI2は高値を持続し解離傾向を示した. 胃粘膜病変は発赤, 組織では粘膜内の充血像を示した.
    ET投与により, 胃粘膜病変が出現し, その発生因子として, 胃粘膜血流•PGsが関与していることが推測された.
  • 奥村 利勝, 岡村 毅興志, 上原 聡, 北守 茂, 原 久人, 斉藤 裕輔, 奥山 修兒, 柴田 好, 大平 基之, 並木 正義
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1371-1375
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    自律神経系の上位中枢である外側視床下部の胃潰瘍形成に対する役割を実験的に検討した. 実験には両側性に外側視床下部を破壊したラットを用い, 水浸拘束負荷後の胃粘膜を視床破壊および無処置対照ラットのそれと比較検討した. 水浸拘束負荷5時間後の潰瘍指数 (ulcer index, mm, M±SEM) は, 外側視床下部破壊群で21.6±2.8mmと視床破壊群の9.8±2.0, 無処置対照群の10.2±1.5に比べ有意に高かつた. 水浸拘束負荷による胃酸•ペプシン分泌は, 外側視床下部破壊群で有意に減少していた. 非病変部胃体部粘膜の単位面積あたりのPAS陽性面積の割合を検討した結果, 無処置対照群17.5%, 視床破壊群21.4%に対し, 外側視床下部群で50%と有意に高い減少率であつた. 以上の成績より, 外側視床下部の機能破錠は攻撃因子が低下しているにかかわらず ulcerogenic に働き, その要因の一つとして胃粘膜内粘液量の減少率が関与するものと推定された.
  • 長畑 洋司, 裏川 公章, 守友 仁志, 市原 隆夫, 伊藤 あつ子, 武田 浩一郎, 黒田 浩光, 出射 秀樹, 友永 健治, 斎藤 洋一
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1376-1382
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ドパミン(DA)のストレス潰瘍抑制作用についてラットを用いて検討した. DAは1~10μg/kg/min まで用量依存性に水浸拘束ストレス負荷後の潰瘍指数の上昇を有意に抑制したが, 25μg/kg/min では潰瘍指数は10μg/kg/minよりも高値を示した. また胃粘膜血流, 胃粘膜プロスタグランディンE2, 胃 transmucosal potential difference のストレス負荷後の低下をDAは1~10μg/kg/min まで用量依存性に抑制したが, 25μg/kg/min では同様にかえつて抑制が減弱した. 一方, 胃酸分泌, 胃運動については1~25μg/kg/min まで用量依存性にストレス負荷後の亢進を抑制した. 以上より, DAは胃防御因子を増強するとともに攻撃因子を減弱して潰瘍発生を抑制すると考えられた.
  • 村岡 晴雄
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1383-1391
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    A型肝炎の重症化因子について過去8年間に経験した散発性A型肝炎患者269名を対象に検討した. 1986年度のA型肝炎患者は高度の肝機能異常を示す例が多く患者の平均年齢は36.6±12.8歳と高かつた. また40歳以上の患者の占める割合が最近増加していることが示唆された. 劇症肝炎の6例中4例は50歳以上の高齢者であつた. また他の肝疾患の合併が確認された9例の経過では7例に急性肝炎重症型, 1例に治癒の遷延化を認めた. 以上よりA型肝炎の重症化因子として加齢, 他の肝疾患の合併が考えられた.
  • 橋本 博之
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1392-1400
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    四塩化炭素 (CCl4) によるラット硬変肝を作製し, 硬変肝細胞の初代培養を行い, 硬変肝細胞の, (1)尿素合成, 蛋白合成及びDNA合成における膵ペプチドホルモンに対する応答性, (2)DNA合成のEGFに対する応答性を健常肝細胞と比較検討し, さらに, (3)排泄能を fluorescein diacetate, (4)薬物水酸化能を antipyrine, (5)抱合能を unconjugated bilirubinをそれぞれ用いて比較検討した. グルカゴンに対する尿素合成, インスリンに対する蛋白合成の応答性は, 共に健常肝細胞に比し低下していたが, 細胞増殖因子であるインスリン, EGFに対するDNA合成の応答性は, 健常肝細胞に比し亢進していた. 一方, fluorescein diacetate の代謝排泄能は, 両者ともほぼ同様であつたが, antipyrine の代謝能及び unconjugated bilirubin の抱合排泄能は, 健常肝細胞に比し低下していた. 以上の結果より, 硬変肝細胞は健常肝細胞よりも増殖能力に富むものの蛋白合成能, 解毒抱合能において劣る細胞であることが明らかにされた.
  • 山本 亮輔
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1401-1409
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    動脈血中ケトン体比 (AKBR) を114例の肝•胆道疾患を対象に測定し次の結果を得た. 健常者のAKBR 1.47±0.38に対し, 肝硬変, 肝細胞癌, アルコール性肝障害, 悪性胆道閉塞では0.7以下であつた. AKBRはアルブミン, コリンエステラーゼとよく相関した. 肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓術 (TAE) 後のAKBRの推移は, ゼラチンスポンジ使用群ではTAE後AKBRは直後に有意の低下を認め, 24時間後には回復した. 一方ゼラチンスポンジを使用しなかつた群では軽度の低下にとどまり24時間後もほとんど不変であつた. またTAE後に予後良好であつたものはAKBRは24時間後前値に回復したのに対し, 予後不良群ではAKBRの進行性の低下が認められた. 実験モデルとして家兎にVX2誘発肝癌を作成しTAEを施行しAKBRの変化を検討した. その結果, 臨床例と同様にTAE後AKBRは低下した, また血中エンドトキシンはAKBRと逆相関の傾向を示した. 以上の結果よりAKBRの測定は原発性肝癌に対するTAEの効果および予後の判定に有用であると思われた.
  • 国分 正恵, 黒田 聖仁, 高木 徹, 斎藤 孝一, 西間木 友衛, 森藤 隆夫, 粕川 禮司
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1410-1416
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    PBC患者30例の末梢血中好酸球の数と比率を経時的に測定し, 臨床像と対比した.
    無黄疸 (総ビルリビン2.0mg/dl未満) のPBC群22例の平均好酸球数, 比率は, 黄疸期 (総ビリルビン2.0mg/dl以上) のPBC群8例のそれより有意 (P<0.05) に高かつた. 好酸球増多 (6%以上) を伴うPBC 7例 (23.3%) は全例無黄疸PBCであつた. 無黄疸期に好酸球増多を示しながら, 黄疸の増強と共に好酸球の数と比率が減少した例を2例認めた. 以上の成績から一部の無黄疸期PBC例では, 好酸球の数と比率がPBCの病態を反映することが示唆された.
  • 奥村 英正, 荒牧 琢己, 勝田 悌実, 寺田 秀人, 関山 達也, 大須賀 勝, 古明地 弘和, 里村 克章, 赤池 正博
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1417-1422
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝血流量及び全身循環動態の体位変換による変化を代償性肝硬変15例で測定した. 仰臥位にて肝及び全身循環動態を測定後, 45度立位10分後に, 再び肝血流量及び全身循環諸値を測定した. 仰臥位での有効肝血流量は1089±315ml/minで, 45度立位10分後の有効肝血流量は1065±328ml/minで, その差は有意でなかつた. 有効肝血流量が10%以上減少した群 (B群) としからざる群 (A群) に分けた所, ICG (R15) とBSP (R45) はB群よりA群の方が有意に高かつた. 肝及び全身循環諸値の中では, 肝静脈楔入圧, 肝静脈圧較差, 自由肝静脈圧, 心係数, 拡張期血圧, 全身血管抵抗, 一回心拍出量に, 有意の変化をみた. 結論として代償性肝硬変においては, 立位により, 肝血流量に有意の変化をみない事が示唆される.
  • 石井 耕司, 山室 渡, 布施 正博, 水吉 秀男
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1423-1429
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    我々はヒトの閉塞性黄疸にBSP負荷で血中システイン抱合型BSP (Cyst-BSP) が増加する事を観察した. 今回, ラットの胆管閉塞 (O-J) を作成し Cyst-BSP の由来を検討した. 未処置ラットを対照としBSP負荷, 肝グルタチオン量, 肝グルタチオンSトランスフェラーゼ (GST) 活性測定を行つた. また, 腎摘の影響, 肝細胞膜の役割も検討した. (1) O-Jでは胆汁中GSH-BSPの排泄量は著減し, ヒトと同様に血中 Cyst-BSP の割合が増加した. (2) O-J肝のグルタチオン量とBSPに対するGST活性は増加していた. (3) 腎摘下では, O-Jで血中 Cyst-BSP の比率に著変はなかつた. (4) GSH-BSPに2群の肝細胞膜成分を加え, O-Jでのみ Cyst-BSP への変化が観察された. 以上より, O-JではGSH-BSPの一部が肝細胞膜で Cyst-BSP になると思われた.
  • 短期および長期投与の対比
    小俣 政男, 多田 稔, 細田 和彦, 高野 進, 田川 まさみ, 今関 文夫, 横須賀 収, 伊藤 よしみ, 大藤 正雄
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1430-1435
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    インターフェロン治療終了後の肝機能の持続的改善を指標とし本検討を行つた.
    非A非B型肝炎16例に対しα型インターフェロンを短期 (7~13週) および長期 (1年間) 投与し, 治療終了後少なくとも1年間の肝機能の推移, およびC型肝炎ウイルス抗体の変化を検討した. 長期投与8例全例で治療終了後の肝機能は正常化した. 一方短期投与例で治療後肝機能の正常化を見たのは8例中1例のみであつた. さらに, 抗HCV抗体陽性で長期投与を受けた5例中2例は陰性化したが, 短期投与6例中陰性化したのは無かつた. インターフェロン長期療法はC型肝炎ウイルスの感染形態の自然経過を変え, 慢性肝炎の予後を変える可能性が示唆された.
  • 佐々木 敏行
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1436-1443
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    近年, 種々の消化器疾患とフリーラジカルの関連が論じられているが, 著者は, 生体内におけるスーパーオキシドラジカルの消去の中心をなす superoxide dismutase (SOD) の阻害剤である diethyldithiocarbamate (DDC) をラットに投与することにより, 急性膵障害が発生することを見いだした.
    DDC投与後, 30分で膵組織中の過酸化脂質濃度の増加, 5時間で血清アミラーゼ値の上昇がみられ, 膵組織の巣状の変性•壊死が認められた. この実験急性膵障害は allopurinol の前投与では抑制されず, DDCのSOD阻害作用のみでは説明できない部分を有するが, 急性膵障害におけるフリーラジカルの関与を示唆するモデルとして興味深いものと考えられた.
  • 角川 陽一郎, 武田 和憲, 砂村 真琴, 川口 信哉, 小針 雅男, 松野 正紀
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1444-1450
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    雑種成犬を用い, 十二指腸盲管法にて16時間後に出血性膵炎を認めたものを対象に蛋白分解酵素阻害剤続動注療法の効果を検討した. 盲管を解放後, 無治療対照群, Nafamostat mesilate(FUT-175)の持続静注群 (5μg/kg/分), 同量の腹腔動脈からの持続動注群の3群に分けた. 24時間後の膵組織内FUT濃度は静注群•動注群それぞれ905ng/g, 4453ng/gとなつた. 膵組織内 trypsin 活性は対照•静注•動注群それぞれ2.1, 1.4, 0.7nmol/min/mg蛋白, 膵の実質に対する壊死面積比はそれぞれ49.5, 25.6, 12.4%と動注群で著明に抑制された. また, 血清Ca値や, amylase, lipase 値も改善し, 重性急性膵炎に対する本法の有用性が示された.
  • 松藤 民子, 永山 和男, 比屋根 学, 武内 力, 鎌倉 広俊, 吉田 洋, 小川 亮, 井上 冬彦, 成宮 徳親, 森本 晉, 小沢 靖 ...
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1451-1455
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 原田 直彦, 三澤 正, 中手 悟, 壁村 哲平, 田中 晃, 千々岩 芳春, 名和田 新, 武井 信介
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1456-1459
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 柳 昌幸, 高橋 洋一, 黒崎 正夫, 石田 礼二, 松本 鐐一, 杉原 政美, 小林 昭彦
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1460-1464
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 藤田 淳, 島田 直樹, 赤司 憲治, 佐々木 香織, 若林 修, 伊藤 利道, 竹内 文英, 斉藤 俊平, 高井 重紀, 鈴木 潤一, 川 ...
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1465-1469
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 特にアルコールの影響について
    志賀 淳治, 大友 裕美子, 冨田 栄一, 武藤 泰敏
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1470-1478
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    厚生省特定疾患「難治性の肝炎調査研究」の一環として慢性肝疾患の経過中に重症化して肝不全症状を呈した症例を全国的にアンケート方式により集計したところ220例を得たが, このうち73症例を病理的に解析し基礎疾患である慢性肝疾患と重症化の原因とを対比しつつ病理的に解析した. 基礎疾患としての慢性肝疾患としては肝硬変が大部分を占めた. 重症化の原因を各種肝炎ウイルスや薬剤のように免疫機序を介した場合, 免疫抑制剤投与後, アルコール,外科的侵襲および出血等の循環障害に分類して検討するとウイルス, 薬剤により重症化した症例が多かつたが, 原因不明も少なくなかつた.
    重症化した原因により病理的に壊死の程度, 形態学的 pattern, 肝細胞の再生の程度, 重症化してから死亡までの生存期間に差があることが判明した. また常習飲酒は生存期間を短縮させ肝細胞の再生を低める傾向のあることも明らかとなつた.
  • 布施 好信, 川本 克久, 辻 秀治, 高升 正彦, 児玉 正, 加嶋 敬
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1479
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 馬場 理加, 屋代 庫人, 長廻 紘, 佐藤 秀一, 飯塚 文瑛, 大原 昇, 小幡 裕
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1480
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 谷口 友志, 吉田 行雄, 木村 健, 間藤 方雄
    1990 年 87 巻 6 号 p. 1481
    発行日: 1990年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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