日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Rat ethionine 慢性膵障害における collagen 代謝の検討
小川 正純中野 幾太舩冨 等八田 善夫
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1991 年 88 巻 1 号 p. 65-70

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抄録

低コリン食下に ethionine を腹腔内長期反復投与し, ラット慢性膵障害を作製し, 組織変化, 膵hydroxyproline, collagenase について検討した. 早期には急性炎症性変化を認め, これに伴い hydroxyproline は次第に上昇し, collagenase 活性も高値を呈した. その後炎症性変化は消退し, 28日目では若干の線維の形成を認めた. この時期に hydroxyproline は peak を呈したのに対し, collagenase 活性は最低値を示した. 56日目では, hydroxyproline は低下したのに対し, collagenase 活性は再度上昇し, 一旦形成された線維も脂肪組織で置換された. 28日目では合成系に比し分解系の相対的低下が認められ, この両系の不均衡は線維化へつながる可能性が示唆された.

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