日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
肝硬変に伴う骨減少症の dual energy X-ray absorptiometry (DXA法) による検討
中野 厚神田 勤宮本 岳石上 佳孝佐藤 智信志水 洋二
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1993 年 90 巻 8 号 p. 1689-1694

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抄録

肝硬変に伴う骨減少症 (骨粗鬆症を含む) を従来の方法に比し定量性に優れた dual energy X-ray absorptiometry (以下DXA法) により検討した. 腰椎骨塩量と正の相関を示した全身骨塩量を指標として, 健常対照群の% age matched bone mineral density 90%以下を骨減少症とすると, 肝硬変患者54例中11例20.4%に骨減少症が認められ, 骨粗鬆症の一般的 risk factor との関連も認められなかったことより, 肝硬変に特異的に続発したものであることが示唆された. また肝硬変に骨減少症を合併した群は非合併群に比し, 血清総ビリルビン, 血清総ALP活性が高値を示し, 肝硬変に伴う骨減少症は肝機能低下が関与している可能性が示唆された.

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