日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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C型慢性肝炎に対するインターフェロンの治療効果と血清および肝内HCV-RNA量, HCV-genotypeとの関係の検討
小西 正芳
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1994 年 91 巻 2 号 p. 147-153

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抄録

インターフェロン (IFN) 療法を受けたC型慢性肝炎患者51例について, 血清および肝内C型肝炎ウイルス (HCV)-RNA量, HCV-genotypeをsingle tube polymerase chain reaction (PCR) により測定し, 治療効果との関係を検討した. 著効率は19.6%で, 治療終了後6カ月での血清HCV-RNA陰性率は29. 5%であった. 無効群は著効群および有効群に比べ, 治療前のHCV-RNA量が多い傾向を認めた. typeIIIHCV単独感染例の著効率はtypeIIHCV単独感染例および混合感染例に比し有意に高率であった. 肝内HCV-RNA量は血清HCV-RNA量と相関がみられた. 以上より, 血清HCV-RNA量とHCV-genotypeの測定は治療効果を予測するうえで有用であると考えられた.

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