日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
日本臨床化学会 (JSCC) 常用基準法に基づいたaspartate aminotransferase (AST)/alanine aminotransferase (ALT) 比の再設定
Karmen法からJSCC常用基準法への変更に伴う肝疾患評価基準の変化
小谷 一夫前川 真人菅野 剛史
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 91 巻 2 号 p. 154-161

詳細
抄録

日本臨床化学会 (JSCC) の提唱したaspartate aminotransferase (AST), alanine aminotransferase (ALT) 活性測定の常用基準法によるAST, ALTおよびAST/ALT比の評価を行った. 国際臨床化学連合 (IFCC) 勧告法のピリドキサールリン酸無添加とした37QC測定法, 日本消化器病学会肝機能研究班がかつて推奨したKarmen法と比較して, この比は優れた相関性を示し, それぞれの測定法との回帰式の傾きは前者の場合1.00, 後者の場合0.87となった.
急性肝炎, 肝硬変, 肝癌など肝疾患の鑑別診断上有用とされるAST/ALT比のカットオフ値は, Karmen法の場合1.0とされているが, JSCC常用基準法の場合0.87として設定されるべきであることが分析法の相関回帰から明らかとなり, 4種病態の判別データからも妥当であると考えられた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top