日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
腹腔内膿瘍によって発見された腸結核の1例
古川 健亮谷 聡福田 昌輝西澤 昭彦坂井 誠森田 宗孝今西 築山下 順平北澤 荘平老籾 宗忠
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キーワード: 腸結核, 腹腔内膿瘍
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1999 年 96 巻 2 号 p. 160-163

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抄録

症例は25歳女性.右下腹部に手拳大の腫瘤を認め入院.虫垂炎に併発した腹腔内膿瘍を疑い,右半結腸切断術を行ったが,切除標本にて腸結核と診断された.その後,抗結核療法を開始し,1カ月後には炎症所見の改善と残存潰瘍の消失を確認した.最近の結核が種々の医療基盤の変遷によって特異な形で出現することもあると考えられ,本例では腹腔内膿瘍による腹部腫瘤を初発症状とした貴重な1例として報告した.

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