日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
著明な膵酵素の上昇をともなったアセトアミノフェンによる薬剤性急性肝不全の1例
谷 聡古川 健亮福田 昌輝前田 みちる坂井 誠森田 宗孝山下 順平北澤 荘平老籾 宗忠
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1999 年 96 巻 5 号 p. 540-544

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抄録

症例は27歳女性.アセトアミノフェンを含む薬剤を自殺目的に大量服用し昏睡状態で入院した.直ちに血液浄化を施行し,併発した肺水腫に対しては人工呼吸管理下に治療し第10病日に意識が回復した.経過中,PLA2等の膵酵素が著明に上昇,腹痛はなかったがCTで膵の浮腫を認めナファスモスタット投与にて改善した.薬剤性急性肝不全に膵障害をともなった報告はまれであり興味ある症例と考えられた.

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© 財団法人 日本消化器病学会
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