2000 年 97 巻 12 号 p. 1472-1479
急性胆嚢炎45例において急性期に施行したmagnetic resonance cholangiopancreatography(以下MRCP)像をretrospectiveに読影し,特徴的所見と出現率を検討した.MRCPでの急性胆嚢炎の所見として胆嚢周囲高信号,胆嚢腫大,胆嚢結石,嵌頓結石はそれぞれ84,71,53,18%に見られた.胆嚢周囲高信号の出現の程度は,臨床的,組織学的に胆嚢炎の重症度に相関していた.合併胆管結石に対する正診率も96%と高かった.急性胆嚢炎におけるMRCPはその病態を反映し,胆嚢ドレナージの適応決定,合併胆管病変の拾い上げに高い診断能を有し,治療法の選択上有用な診断法である.