2000 年 97 巻 9 号 p. 1125-1129
総胆管結石症は腹痛,黄疸,発熱などの臨床症状を呈し,比較的診断の容易な疾患である.特に超音波(US)の発達,普及により胆管拡張が非侵襲的かつ容易に診断されるようになり,確診までの時間が短縮された.USの胆管結石の直接描出率は不十分であったが,近年磁気共鳴胆管膵管造影法が開発され,US同様非侵襲的に胆管拡張,胆管内結石の診断が正確にできるようになった.このため,内視鏡的逆行性胆管膵管造影や経皮経肝的胆管造影などの直接胆管造影法は,診断のためだけに行われる機会は減少してきて,確診例に対し治療を前提に施行される傾向になってきつつある.