日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
97 巻 , 9 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 藤田 直孝
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1125-1129
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    総胆管結石症は腹痛,黄疸,発熱などの臨床症状を呈し,比較的診断の容易な疾患である.特に超音波(US)の発達,普及により胆管拡張が非侵襲的かつ容易に診断されるようになり,確診までの時間が短縮された.USの胆管結石の直接描出率は不十分であったが,近年磁気共鳴胆管膵管造影法が開発され,US同様非侵襲的に胆管拡張,胆管内結石の診断が正確にできるようになった.このため,内視鏡的逆行性胆管膵管造影や経皮経肝的胆管造影などの直接胆管造影法は,診断のためだけに行われる機会は減少してきて,確診例に対し治療を前提に施行される傾向になってきつつある.
  • 西川 稿, 滝川 一
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1130-1135
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    総胆管結石の治療法として,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や内視鏡的乳頭拡張術(EPD)を用いた排石法は現在確立されたものとなっている.我々の総胆管結石の治療方針はまず内視鏡下に排石を行い,胆嚢結石がみられる場合は引き続き外科で胆嚢摘出術を行うのを基本としている.この2年間の総胆管結石42例のうち38例(90%)でESTまたはEPDにより排石に成功した.このうち胆嚢結石のない21例は排石後退院となった.胆嚢結石を合併した17例中9例はさらに胆嚢摘出術を行い,8例は種々の理由で経過観察となった.EST,EPDを用いた内視鏡下総胆管結石排石法は入院期間短縮,患者負担・負荷の軽減の面から優れた方法と考えられた.
  • 杉山 政則, 森 俊幸, 跡見 裕
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1136-1142
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡外科の発展とともに総胆管結石症の治療は大きく変化したが,標準的な治療法は定まっていない.総胆管結石に対する腹腔鏡下手術には経胆嚢管的切石術と総胆管切開切石術がある.前者は三管合流部以下の少数の小結石が適応であり,これ以外は後者が適応となる.胆嚢総胆管結石に対する腹腔鏡下手術(一期的治療)は低侵襲で入院期間が短く乳頭機能を温存できる利点を持つが,特殊な技術・機器を要する.内視鏡的乳頭切開術の後に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う二期的治療は多くの施設で行われているが,入院期間が長く,乳頭機能障害による長期合併症の可能性がある.腹腔鏡下手術とERCP治療の両者とも行えない場合は開腹手術が適応となる.
  • 徳永 健吾, 星谷 聡, 渡辺 一宏, 田中 昭文, 二宮 英彦, 和田 真太郎, 新垣 正夫, 伊藤 武, 石田 均, 高橋 信一
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1143-1150
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    新3剤併用療法によるHelicobacter pylori除菌治療終了後の適切な除菌判定時期について検討した.除菌判定法は培養法,鏡検法,迅速ウレアーゼ試験,13C-尿素呼気試験を用い,すべての検査法が陰性であるものを除菌成功とした.再陽性化例は5.5%(6/109)であり,うち1年以内に再陽性化した5症例の除菌終了日から判定までの日数は,全例2カ月以内であった.また除菌判定時に13C-UBTが偽陽性であったのは6例(5.5%)で,全例5~10‰であった.このうち5例は除菌終了日から判定までの日数が2カ月以内であった.以上よりH. pyloriの除菌判定は,除菌治療終了3カ月目以降に行うことが望ましいことが明らかとなった.
  • 福原 研一朗, 大杉 治司, 井上 清俊, 高田 信康, 加藤 裕, 岸田 哲, 西川 正博, 奥田 栄樹, 上野 正勝, 田中 芳憲, 木 ...
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1151-1154
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    食道癌との重複癌症例の報告は増多の一途にある.気管癌は頻度が非常にまれで,特に食道癌との重複癌の頻度は悪性腫瘍剖検中0.003%にすぎない.本症例では食道癌の術前検査中に偶然早期で発見された.食道癌の進行度と患者の希望で化学療法と放射線療法の併用による保存的治療を行った.発見から1年8カ月を経過し,食道癌は増大傾向にあるものの,気管癌は著変を認めていない.
  • 森園 周祐, 田中 晃, 西山 正章, 久野 晃聖, 荻原 健, 中原 昌作, 八反田 洋一
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1155-1160
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は75歳男性.血便と便秘の精査目的で施行された大腸内視鏡および注腸造影で,S状結腸に進行癌を認めた.また,比較的急速に発現したと考えられる胃・大腸ポリポーシスの併存が見られ,画像所見よりCCSの消化管病変と診断した.その後,下痢,爪甲異常,脱毛が出現し,術後のPSL投与でこれらの症状とポリポーシスは著明に改善した.臨床症状発現前のポリポーシスのみの時期に遭遇した点で興味ある1例と考えられた.
  • 森田 百合子, 土屋 輝一郎, 佐藤 紀一, 石倉 隆宏, 石井 賢一, 野村 哲也, 有明 浩一郎, 鈴木 伸治, 桜沢 俊秋, 堀内 亮 ...
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1161-1164
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は35歳男性.1995年4月より慢性関節リウマチに対して内服治療を受けていた.1998年3月までに肝機能は正常であったが,9月に急性肝炎様の肝胆道系酵素の上昇を認め,肝組織像は門脈域の炎症細胞浸潤を認め慢性活動性肝炎像を呈した.血中IgGの高値,抗核抗体陽性などより自己免疫性肝炎と診断しステロイド治療にて軽快した.自己免疫性肝炎の急性発症の経過をとらえた症例は少なく貴重であり報告する.
  • 柿木 嘉平太, 竹森 康弘, 野田 八嗣, 細 正博
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1165-1169
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は66歳女性,1997年10月頃より腹部膨満感を認め,腹部エコーにて肝右葉に腫瘤を指摘された.HBs抗原・HCV抗体は陰性.腫瘍マーカーではCEA 157.5ng/mlと高値を認めた.CT,血管造影にて肝門部に脈管侵襲をともなった⊄7cm大の腫瘍を認め,肝内胆管癌が疑われた.病期は進行しており,手術困難なため対症療法のみ行った.また,入院時より白血球14900/μlと高値を認め,腫瘍の増大にともない増加を示した.抗生剤は無効で,腫瘍末期には28500/μlまで増加.その後,黄疸が増悪し肝不全にて死亡した.剖検にて肝門部から右葉にかけて11×13cm大の壊死・出血の著明な腫瘍を認めた.組織学的には線扁平上皮癌で,G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)染色にて,一部に陽性所見を認めた.他臓器に感染巣を認めず,腫瘍産生のG-CSFによる白血球増加と考えられた.G-CSF産生性肝内胆管癌の報告はまれであり,貴重な症例と考え報告した.
  • 上野 隆幸, 濱田 信男, 石崎 直樹, 中村 登, 門野 潤, 福枝 幹雄, 海江田 衛, 大井 恭代, 吉田 愛知
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1170-1175
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は73歳,女性.S状結腸癌術後7カ月目の腹部CTで肝内側区域(S4)に術前には指摘し得なかった不整形低吸収域を認め,転移性肝癌を疑った.同部はCTAPで門脈血流欠損を,MRI脂肪抑制画像で低信号を呈した.血管造影上,後上膵十二指腸静脈は門脈に還流せず,S4の病変部に直接流入するaberrant vesselであった.本病変は超音波下生検で脂肪変性した肝組織で,focal fatty infiltrationと最終診断した.
  • 長尾 由実子, 佐田 通夫, 杉山 照幸, 大西 弘生
    2000 年 97 巻 9 号 p. 1176-1177
    発行日: 2000/09/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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