日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
診断基準と治療薬の進歩
過敏性腸症候群
松枝 啓
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2001 年 98 巻 10 号 p. 1146-1153

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抄録

21世紀は,ストレス社会の到来と共に機能的疾患である過敏性腸症候群が急増することが予想されており消化器科領域における最も重要な治療対象になると考えられている.さらに,この症候群の患者のHealth-related quality of lifeは血液透析を施行している腎不全患者よりも低下していることも明らかになり,この症候群の臨床的意義がクローズアップされてきた,したがって,臨床現場における過敏性腸症候群の診療を容易にし,また患者のQuality of lifeが向上することを目的に過敏性腸症候群の診断基準そして最近の治療薬の進歩,とくに最近認可されたポリカルボフィルカルシウムと認可が期待されているセロトニン受容体拮抗薬/刺激薬を中心に解説した.

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