日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
深部静脈血栓症を合併し,ヘパリンが有効であった直腸炎型潰瘍性大腸炎の1例
松崎 達中澤 敦大塚 征爾前田 憲男米井 嘉一稲垣 恭孝鈴木 修桐生 恭好水野 嘉夫小川 健二
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2001 年 98 巻 3 号 p. 300-306

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抄録

症例は47歳男性,直腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)で通院中に突然,右下肢腫脹・疼痛を認めて入院,ドプラエコーで下大静脈から膝窩静脈におよぶ広汎な静脈血栓症と診断.本邦のUC患者ではこれまで18例の深部静脈血栓症合併例が報告されているが,検索しえた限りでは直腸炎型での合併は初めてであった.抗凝固療法と血栓溶解療法の併用により深部静脈血栓症にともなう症状のみならず,UCの臨床症状の改善を認めた.

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