2002 年 99 巻 10 号 p. 1191-1196
現在, 食道癌に対する放射線化学療法がQOLを維持できる治療として注目されている. 放射線化学療法の標準的治療はCDDP/5FUであるが, CDDPの誘導体であるCDGPは腎毒性消化器毒性が低く食道癌に対する単剤での効果はCDDPを上回るといわれている. 今回我々はCDDPに代わりCDGPを使用した少量CDGP/5FU放射線併用療法を施行し, 臨床的検討を行った、結果は総合評価で奏効率8096, CR率5096, 主な副作用は白血球減少, 好中球減少, 血小板減少, 貧血であった. 今後, 投与量, スケジュールを考慮する必要はあるが, 食道癌治療の選択肢に十分なりうるものと考えられた.