日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
MRSA腸炎に合併した急性循環不全が原因と思われる虚血性小腸狭窄の1例
西澤 文子徳光 陽一郎谷口 修一松浦 隆志加藤 雅人瀬尾 充白浜 正文橋口 一利山本 一郎
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2002 年 99 巻 10 号 p. 1226-1230

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抄録

症例は18歳男性.縦隔の悪性リンパ腫に対する化学療法後の骨髄抑制中に腹痛, 発熱, 多量の水様下痢を発症し, ショック状態となった. 便中に小腸粘膜の脱落も認めた. MRSA腸炎と診断し加療にて改善した. しかしその後もイレウス症状が続き, 小腸二重造影にて小腸に求心性管状狭窄を認めたため手術を施行.虚血性小腸狭窄と診断した.虚血の原因としてMRSA腸炎と全身の急性循環不全が考えられ貴重な症例と考え報告した.

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