日本消化器病学会雑誌
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肝吸虫症に合併した多発総胆管癌の1例
齊藤 修治遠藤 格山岸 茂田中 邦哉市川 靖史渡会 伸治嶋田 紘天野 皓昭上田 倫夫河野 尚美
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2002 年 99 巻 5 号 p. 518-522

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抄録

症例は台湾出身,71歳,男性.黄疸を主訴に入院.胆汁細胞診で肝吸虫々卵を認め,PTCD排液から虫体も確認した.胆道造影で総胆管の閉塞と壁不整像を認め,肝吸虫症に合併した総胆管癌と診断,切除術を施行した.組織学的には,中部胆管に腺扁平上皮癌とその乳頭側に非連続性に高分化腺癌を認め,他にも胆管粘膜の腺腫様過形成やdysplasiaがみられた.肝吸虫感染が肝外胆管癌発生に関与した1例を文献的考察も加え報告する.

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