抄録
本調査研究の目的は「セルフマネージメントスキルを活用しつつ、必要な支援を受けながら自立した職業生活を送れるよう支援することを目指した総合的な職業リハビリテーションサービス」である「職場適応促進のためのトータルパッケージ(以下「TP」という。)」の活用状況や活用促進に向けての課題を整理し、TP が効果的に活用されるための方策を検討することである。検討の結果、TP 活用促進の方策として、①「支援者が TP の理論的知識を実践に生かせること」を目標とした伝達プログラム(研修)の開発、②「支援者の TP ツールの導入意欲を喚起すること」を目標とした実践事例集の作成、③学習者の知識の状態や所属機関の役割・機能に応じて、必要な情報を参照して TP について学習できる学習テキストの作成を行った。今後、①~③の本調査研究での成果が有機的に組み合わされ、多様な就労支援機関において TP に関する知識・ノウハウが普及することにより TP の活用が促進され、就労支援サービスの質の確保・向上につながることが期待される。