香川大学看護学雑誌
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我が国の救急看護に関する研究の動向と今後の課題
我が国の救急看護に関する研究の動向と今後の課題
大西 敏美市原 多香子
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2020 年 24 巻 1 号 p. 53-64

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抄録

我が国における救急看護に関する研究の動向を知り,今後の救急看護領域における課題を検討することを目的とする.

2009年から10年間で検索を行い,原著,症例検討,一般による文献検討を行った.523件を分析対象とし,山勢らの研究と比較するため,山勢らが用いたテーマ,【病態や処置の解説】【救急看護教育】【救急看護の専門性】【救急看護ケア】【その他】と,追加した【看護管理】に分類した.【病態や処置の解説】は減少し,【救急看護ケア】が増加していた.研究内容は,フライトナース,トリアージに関する文献が急増していた.フライトナースに関しては,複数施設あるいは,全国規模でフライトナースを対象として,継続教育も含めた教育体制の確立,心理的サポートの充実が必要と考えられた.トリアージに関しては,トリアージ能力の向上,トリアージ判定の事後検証システムの確立,その検証結果のフィードバック体制の構築やシミュレーションなどの勉強会を定期的に行うシステムの確立が求められた.家族援助では,看護師に対する終末期ケアの教育が示唆された.

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© 2020,香川大学医学部看護学科

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