脳血管内治療
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症例報告
頚動脈ステントでの治療後に再治療を要した感染性総頚動脈瘤の1 例
長光 逸金子 奈津江長綱 敏和安田 浩章浦川 学藤井 正美山下 哲男折田 浩志田中 慎介池田 典生
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2020 年 5 巻 4 号 p. 185-191

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抄録

【目的】総頚動脈瘤は稀であり,治療法が確立されていない.感染性総頚動脈瘤に対してステント併用コイル塞栓術を行った症例を報告する.【症例】85 歳女性.腎障害の既往あり.歯科治療を契機に生じた感染性左総頚動脈瘤に対して,整流効果による動脈瘤増大抑制を期待し,closed cell stent を 2 本 overlap させた頚動脈ステント留置術を施行した.造影剤使用による腎障害の増悪を避けるため,術中に頚動脈超音波検査をガイドとして用いることで造影剤の使用量を減じた.術後ステント短縮によって動脈瘤入口部に非被覆部が生じたため,造影剤を少量使用したコイル塞栓術を追加し治療完了した.【結論】感染性総頚動脈瘤に対して初回治療としてステント留置術を施行した後,再治療としてコイル塞栓術を行い,良好な転帰が得られた 1 例を経験した.

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© 2020 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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