脳血管内治療
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症例報告
対側閉塞例に対して,術中モニタリング下に遠位バルーンプロテクションで CAS を施行した1 例
森下 雅博進藤 孝一郎荻野 達也遠藤 英樹立田 泰之櫻井 卓渕﨑 智紀石川 耕平岡村 尚泰石塚 智明大熊 理弘山口 陽平上山 憲司大里 俊明中村 博彦
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2021 年 6 巻 3 号 p. 141-147

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抄録

【目的】対側閉塞を有する頚部内頚動脈狭窄症例の carotid artery stenting(CAS)において,術中モニタリングが有用であった 1 例を経験したので報告する.【症例】68 歳男性.両側の頚部内頚動脈狭窄症を指摘されていた.3 年後に行った頚動脈エコー検査で左頚部内頚動脈閉塞および右頚部内頚動脈狭窄の進行を認め,精査の結果,CAS の適応ありと判断された.プラーク診断で不安定プラークと判断され,遠位バルーンプロテクションを使用した CAS を計画し,somatosensory evoked potentials および near-infrared spectroscopy の術中モニタリング下に試験遮断を行い,虚血耐性がない場合は遠位フィルタープロテクションに変更する方針とした.錐体部ではなく頚部での内頚動脈遮断の場合は,モニタリングの所見より短時間の虚血耐性が担保されているものと判断し,バルーンプロテクションで CAS を行った.【結論】対側閉塞を有する頚部内頚動脈狭窄症例の CAS において,術中モニタリングが有用であった.

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