2023 年 8 巻 1 号 p. 32-38
【目的】大動脈弓部の分岐形態がカテーテル手技に及ぼす影響は大きい.COVID-19蔓延下では,肺野評価を目的とする胸部単純CTが増加しているが,肺野評価を目的とした胸部単純CT画像を用いて大動脈弓部の3D構築を行うことで,大動脈弓部の分岐形態を直感的に評価可能か検討したので報告する.【症例】2021年3月から2021年12月までに脳血管造影または脳血管内治療を行った25例を対象とし,脳神経外科医師4名による後ろ向き検討を行った.【結論】Type 3が10例(36%),bovine archが1例含まれていた.描出不良や大動脈弓部の形態把握が困難であった症例は1例もなく,胸部単純CT画像を用いた3D構築画像で,大動脈分岐形態の評価を直感的に行うことが可能であった.