脳血管内治療
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中大脳動脈閉塞症に対する血栓回収療法後に 過灌流症候群に伴う非痙攣性てんかん重積状態を来した1 例
戸村 九月川﨑 怜子北村 美月中山 貴博今福 一郎
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cr.2020-0015

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抄録

【目的】血栓回収後に過灌流症候群(CHS)と非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)が疑われた 1 例を経験したので報告する.【症例】68 歳女性,意識障害を主訴に救急搬送.左中大脳動脈(MCA)閉塞の診断で血栓回収療法を施行して完全再開通を得たが,意識障害の遷延を認めた.治療同日のMRI では DWI 所見は消失し,再開通を維持していたが,第 3 病日の MRI で虚血領域の皮質を中心とした高信号と同領域の脳血流上昇を認め,脳波所見と併せて CHS と NCSE の並存が疑われた.内科的加療により臨床症状は徐々に改善を認めたが,高次脳機能障害が残存した.【結論】血栓回収後に治療経過に見合わない意識障害の遷延や悪化を来す場合,CHS や NCSE を鑑別診断に挙げた精査を行う必要がある.

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© 2020 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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