脳血管内治療
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鼻出血を繰り返す上顎洞血瘤腫に対し,N-butyl Cyanoacrylateを用いた塞栓術を施行した1例
長 順之芳村 雅隆 稲葉 雄一郎林 俊彦金岡 杏純伊藤 慧清川 樹里廣田 晋山本 信二
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cr.2022-0025

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抄録

【目的】血瘤腫は,上顎洞に好発する易出血性の良性腫瘤性病変である.手術摘出が原則であり,術前塞栓の報告はあるが,血管塞栓術単独治療の報告はない.手術リスクの高い高齢患者に対して,塞栓術単独治療を行い,良好な止血効果と腫瘤の縮小を得た1例を報告する.【症例】87歳男性.輸血を要する重度の鼻出血を繰り返した左上顎洞血瘤腫に対して,栄養血管である蝶口蓋動脈をn-butyl cyanoacrylateで塞栓した.術後4カ月の観察期間中,鼻出血は停止し,CTで腫瘤の縮小を認めた.【結論】鼻出血が主症状で,手術リスクが高い血瘤腫に対して,姑息的ではあるものの,塞栓術単独治療は選択肢の一つとなり得る.

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© 2022 特定非営利活動法人日本脳神経血管内治療学会

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