抄録
非特異的な画像所見を呈した希な嚢胞性髄膜腫の1例を報告した。症例は47歳女性。めまい、失算、失書を主訴に当科紹介。MRIにて左頭頂葉に広汎な浮腫を伴う嚢胞性病変あり、造影にてリング状造影および腫瘍内結節の造影を認めた。血管撮影にては僅かな腫瘍陰影を認めるのみで、画像所見上転移性脳腫瘍が疑われた。術前全身検索にて悪性腫瘍を示唆する所見なく、全摘出を行った結果、腫瘍は硬膜より発生していた。病理所見ではlymphoplasmacyteに富む髄膜腫であった。不例では高γ⋅グロブリン血症は伴わず、免疫組織化学染色、術後画像所見および術後経過よりlymphoplasmacyteの増生は腫瘍性ではなく、腫瘍に対する炎症性反応と思われた。