抄録
悪性神経膠腫治療中に、危険因子を有せず高いperformance statusにも関わらずARDSを発症した3症例を報告する。これらの症例は、1)phenytoinに対する過敏性を示したこと、2)2人は放射線治療中に、1人は放射線壊死に伴って発症したこと、3)長期間使用したステロイドの減量に伴って発症したこと、4)発症前に乾燥咳漱、発熱、全身の中毒疹が出現したこと、5)血清LDH値が発症前から漸増し、発症後著しい高値を来した、といった類似する特徴的な経過を示した。原因は未だ不明であるが、これらの特徴的症状はある種のARDS発症の前兆として注意すべきものと考えられた。