抄録
細菌性脳動脈瘤が破裂した場合の死亡率は高く、感染性心内膜炎に合併することが多いため、治療に難渋する場合がある。症例は56歳の男性で、感染性心内膜炎のため入院加療中くも膜下出血にて発症した。中大脳動脈に生じた二つの細菌性脳動脈瘤のうち末梢のものは抗生剤治療にて消失したものの、くも膜下出血を生じた近位部(M2)のものが拡大してきた。そのため、全身麻酔下での僧帽弁置換術に先がけて再破裂を防止する目的で、選択的に瘤内にコイル塞栓術を施行した。僧帽弁置換術後の経過も順調で、神経学的脱落症状もなく退院し現職に復帰された。血管内手術は、細菌性脳動脈瘤に対する治療戦略の一つのオプションと考えられる。