Neurologia medico-chirurgica
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38 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 田中 彰, Shinya YOSHINAGA, Yoshiya NAKAYAMA, Masamichi TOMONAGA
    1998 年38 巻10 号 p. 623-632
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    破裂脳動脈瘤早期手術患者45症例(症候性血管攣縮例:18,無攣縮例:27)において,キセノンCT脳血流装置を用いて脳血流量とアセタゾラミドに対する血管反応性を急性期から慢性期にかけて測定した.血管攣縮が起こると,その動脈領域における局所脳血流量は急速に低下し,15ml/100g/min以下に低下した部位は後に梗塞化していた.脳血流量低下は慢性期にも持続していたが,血管反応性は回復していた.転帰は良または可であった.無攣縮例では,脳血流量は常に正常値域内にあったが,血管反応性は亞急性期に一過性に低下していた.転帰は全例優であった.結論:くも膜下出血亞急性期の脳血流情報は,虚血性脳組織の司逆性と最終転帰を占う上で有用である.
  • 河村 淳史, Norihiko TAMAKI, Takashi KOKUNAI
    1998 年38 巻10 号 p. 633-640
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    4種の神経外胚葉系培養脳腫瘍細胞のデキサメタゾン受容体の存在と誘発される細胞増殖反応について検討した。KNS42、T98G、A172細胞では細胞質で受容体の存在とデキサメタゾン添加後の核内移動を確認した。受容体が存在しないU251MG細胞ではデキサメタゾンによる増殖反応は認められなかった。A172で認められた増殖抑制反応はアポトーシスやネクロシスなどの細胞死ではなかった。KNS42、T98Gでは生理的濃度において濃度依存性に増殖反応を示した.本実験よりデキサメタゾンは細胞増殖に関し二相性の反応を示し細胞質内受容体と結合後に核内へ移動し増殖関連遺伝子に関与することが示唆された。
  • 石井 正三, Nobuhito ODA, Shusaku TAKAHAGI, Seiko SHIBATA, Takeshi YOSHIZUM ...
    1998 年38 巻10 号 p. 641-647
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    Fast spin echo three-dimensional法にflow compensationを用い、MRIではこれまで描写できなかった頚髄のmyelogramの描出を試み臨床評価に耐えうる画像を得ることが出来た。muximum intensity projection(MIP)処理を加える事により本法では、従来のX線脊髄造影と異なり造影剤を使用せず、肩や下顎骨によるマスキング無しに頚髄髄液腔を全体像として描写できる特徴を持つ。本法による様々な病変の所見を従来の方法と比較検討した。本法は非侵襲的方法として頚髄病変のスクリーニングにも適応できるものと考えられた。
  • 黒岩 敏彦, Tomio OHTA
    1998 年38 巻10 号 p. 648-653
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    海綿状血管腫と静脈性血管腫が同一部位に存在し,痙攣発作で発症した2症例(17歳男性の左中心前回,28歳女性の右下前頭回)を報告した.いずれも,静脈性血管腫を温存して海綿状血管腫のみを摘出したが,術中所見では,海綿状血管腫からの導出静脈は静脈性血管腫に流入していた.術後は神経学的脱落症状無く,抗痙攣薬も中止できた.これらの病変が単独で存在した場合の手術適応に関しては,議論が多い。しかし、出血しやすいとされる海綿状血管腫が出血した場合、これに合併し,正常の髄質静脈を導出する静脈性血管腫の温存が困難となるため,両者の合併例では海綿状血管腫のみを積極的に摘出すべきである.
  • 今村 純一, Tatuya OKUZONO, Yoshiko OKUZONO
    1998 年38 巻10 号 p. 654-656
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    症例は72才女性で鼻出血にて来院。神経学的検査(CT,3D-Ctangio,CAG)にて巨大Prolactin産生下垂体腫瘍とその中に取り込まれるように大きな海綿静脈洞部内頚動脈瘤を認めた。周囲の骨構造は腫瘍浸潤と進展により浸食破壊され,主に前下方の副鼻腔側に腫瘍は進展していた。手術待機中に腫瘍内動脈瘤が破裂し,致命的な大量鼻出血となった。クモ膜下出血は起こさず,骨の浸食破壊された鼻咽頭腔内への出血であった。最も抵抗の少ない方向への出血となったものである。動脈瘤が全く腫瘍内に埋没した形のもはまれであり,それが致命的な鼻出血を起こすことは更に極めてまれであるので報告した。
  • 渡辺 明良, Kazuhiro HIRANO, Ryoji ISHII
    1998 年38 巻10 号 p. 657-660
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    細菌性脳動脈瘤が破裂した場合の死亡率は高く、感染性心内膜炎に合併することが多いため、治療に難渋する場合がある。症例は56歳の男性で、感染性心内膜炎のため入院加療中くも膜下出血にて発症した。中大脳動脈に生じた二つの細菌性脳動脈瘤のうち末梢のものは抗生剤治療にて消失したものの、くも膜下出血を生じた近位部(M2)のものが拡大してきた。そのため、全身麻酔下での僧帽弁置換術に先がけて再破裂を防止する目的で、選択的に瘤内にコイル塞栓術を施行した。僧帽弁置換術後の経過も順調で、神経学的脱落症状もなく退院し現職に復帰された。血管内手術は、細菌性脳動脈瘤に対する治療戦略の一つのオプションと考えられる。
  • 上野 恭司, Akira TANAKA, Yoshiya NAKAYAMA
    1998 年38 巻10 号 p. 661-665
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    一過性のふらつきと右片麻痺の既往のある67歳、女性。MRIでは左に蝶形骨縁髄膜腫があり、内頚動脈と中大脳動脈を巻き込んでいた。頚動脈撮影では左内頚動脈は閉塞し、腫瘍濃染像と周囲皮質静脈の拡張があった。Xe-CTでは脳血流量の低下およびアセタゾラミドによる血管反応性の低下をみた。腫瘍全摘後は、一過性神経脱落症状は認めず、アセタゾラミドによる血管反応性は著明に回復した。頭蓋内腫瘍は脳灌流圧低下により、一過性神経脱落症状の原因となりうる。頭蓋内腫瘍による脳循環不全の原因として、腫瘍による主幹動脈の閉塞、周囲組織からの盗血、局所組織圧の増加、局所静脈流出の障害が挙げられる。この症例は後二者の因子が考えられた。
  • 志田 直樹, Nobukazu NAKASATO, Kazuo MIZOI, Masaya KANAKI, Takashi YOSHIMOT ...
    1998 年38 巻10 号 p. 666-668
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    頭蓋咽頭腫の嚢胞が自然破裂したことに起因する血管の狭窄から脳梗塞を生じ,失語と傾眠傾向を呈した36才女性例を報告する.CTにて,鞍上部に嚢胞性の腫瘍と左側頭頭頂部に脳梗塞巣が認められ,造影剤により嚢胞壁の他,左シルビウス裂と前橋槽に増強効果が見られた.血管撮影では左内頚動脈C1部と左中大脳動脈M1部が高度の血管狭窄像を呈していた.両側前頭開頭で腫瘍を亜全摘した.術中,左内頚動脈および中大脳動脈周囲には乳白色のdebrisが確認された.術後1ヵ月目の血管撮影では血管狭窄は軽快していた.画像所見と術中所見から,本症例の血管狭窄は頭蓋咽頭腫の嚢胞の破裂に起因する血管攣縮であった可能性が示唆された.
  • 中洲 庸子, Akihiko SHIINO, Satoshi NAKASU, Jyoji HANDA
    1998 年38 巻10 号 p. 669-671
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/03/30
    ジャーナル フリー
    ブロモクリプチン25mg1回投与で、ショック状態となった症例の経験を述べ、注意を喚起した。72歳男性、浸潤性プロラクチン産生腺腫に対する摘出術後の内分泌基礎値は、プロラクチンのみ高値で、他は正常だった。仰臥位でブロモクリプチン負荷テストを行なったところ、投与後3時間半から前胸部不快感を訴え、チアノーゼ、発汗を伴った。血圧は80/60mmHgと低下していた。ステロイド剤投与と輸液で正常に復した。ブロモクリプチンが血管拡張作用をもち、起立性低血圧をきたすことは広く知られている。予備能が不十分な患者の中には、血管拡張作用が強く現われる症例もあるため、少量の投与でも循環機能の注意深い観察が必要である。
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