Neurologia medico-chirurgica
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Circulatory Arrest with Profound Hypothermia During the Surgical Treatment of Large Internal Carotid Artery Aneurysm —Case Report—
滝 和郎Nobuyuki SAKAIIchiro NAKAHARANaohiro OSAKATakaaki KOSHIJIKatsuhiko MATSUDAYasujiro ENOKIHaruhiko KIKUCHI
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1998 年 38 巻 11 号 p. 725-729

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抄録

45才男性の左内頚動脈瘤のクリッピングの際に体外循環、超低体温下、一時的循環停止を併用した症例の報告である。動脈瘤は未破裂で診断され、最大径22mm後外側に向いていた。コイルによる塞栓術をまず試みたが、コイルが内頚動脈内にはみ出すため、塞栓せずに中止した。内頚動脈の一時的閉塞試験では、瞬時に意識障害と右片麻痺をきたした。手術は動脈瘤周囲を十分剥離し止血を完全にした後、脱血管2本、送血管1本を挿入し補助体外循環で低温を最低19°Cまで冷却し24分間の循環停止中にクリッピングを行った。術後経過順調で元気に働いている。この方法は術野の拡大、動脈瘤剥離、クリッピングが容易になり有用である。

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© The Japan Neurosurgical Society
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