抄録
(はじめに)
平成13年4月健診事務を担当するときに、当時は癌に関わる便潜血、胃透視撮影、胸部レントゲン撮影、乳癌検診、子宮癌検診の要再検者に医療機関受診を促すだけであったので、健康管理センターからの要再検者のスムーズな本院での外来移行方法を考えた。
(経過)
当時の本院外来は再来患者の予約診療は行っていたが、新患は除外されていた。本院内視鏡室で直接カメラの予約を手始めに行うことにした。まず、平成13年6月6日に内視鏡室長・看護師・健康管理センターとで話し合いを持ち、平成13年7月から月曜・水曜・金曜に各4名、土曜8名の枠を確保した。再検者からの電話予約は健康管理センターではなく本院内視鏡室で取ることとなった。その方法は、成績表送付時に電話で胃カメラの予約が取れる旨の案内を同封→内視鏡室で電話予約受付→当日中央受付で新患登録後検査である。
その後、平成15年1月1日から本院のオーダリングの導入が決まり健康管理センターもオーダリング用端末2台が設置されることとなった。オーダリングシステムに予約のオープン枠がありそれを利用して健康管理センターでの予約受付を平成15年度の健診者から実施することとなった。
再検査の外来予約は全健診者を対象とし診療科の振り分けは医師がする。また、電話予約の受付時間は平日の午後2時30分から4時30分とし、現在治療中の健診者には通知しない。
予約の流れは
1.結果表に医師が振り分けた科の診療予約が電話で取れることの案内を同封
2.再検査予約のお知らせをみた受診者が健康管理センターに電話をして希望日を聞きオープン枠に予約を取る。
3.予約前日の午後に中央受付と受診科外来に予約名簿を渡す。
4.当日本人が中央受付で受け付け
5.外来受診
(結果)
平成15年度の予約受付数は、内科753名、内視鏡517名、外科91名、泌尿器科19名、産婦人科33名の1,413名、平成16年度の予約受付数は、内科994名、内視鏡463名、外科98名、泌尿器科21名、産婦人科84名の1,660名であった。当センターの平成16年度の健診数15,171名の内訳は、農協組合員健診3,236名(21.3%)農協職員健診1,454名(9.6%)職員健診(前後期)1,784名(11.8%)人間ドック3,428名(22.6%)一般健診5,269名(34.7%)である。単純に受診者数を健診数で割ると10.9%、職員には電話予約の通知を出していないので職員健診数を抜くと12.4%の予約を行った。
(結語)
電話予約を始めるまでは、協同病院で健診するメリットがないなどの不満の声が聞かれたが、予約後は外来にかかりやすくなった。時間の目安がたつようになった。直接専門医にかかれるようになった(以前は予診科を受診してからの振り分けであった)などの声が聞かれるようになった。
このように健診業務に少しの付加をつけただけで当院への受診者増、健診者への疾病の早期発見・治療に少しではあるが寄与出来たと思う。今後も、地域の中核病院である当院の一端を担う健康管理センターとしてただ健診を行なうだけでなく、何か健診者の役に立つことを考えていきたいと思う。