日本農村医学会学術総会抄録集
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第54回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2F05
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一般演題
人間ドック等受診者への事後指導体制の取り組み
事後指導の拡充・強化
中神 信明西村 信哉河辺  洋一郎中神 未季
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抄録

【はじめに】
当健康管理センターは渥美半島における中核病院併設として、人間ドック・政府管掌生活習慣病予防健診・各種がん検診等を実施している。平成12年10月には、病院の新築移転に伴い、規模・設備の拡充を図った。年々増件する人間ドック等の受診者に対して、総合健診システムの導入、保健師採用等による事後指導の充実・強化を行なってきた。その活動経過と今後の課題について報告する。
【目的】
人間ドック等健診受入および事後指導の拡充を図るため、午前、午後の指導体制を確立する。
【方法】
1 午前:行政受託人間ドック受診者以外の指導体制
1)指導内容
医師・保健師等による個別指導を実施。
2)実施日・時間・人員
実施日は年間を通した個別指導を可能とするため、健診日の午前中とした。
健診医師の業務および外来受診勧奨可能な時間帯を考慮し、健診者診察終了後の午前9時30分を開始時間とし、指導時間を1名20分、1日4名から5名実施とした。
3)予約方法
予約票および予約者名簿を作成し、当日の健診終了後、受付窓口にて受診者と指導日の日程調整を行なった。
2 午後:行政受託人間ドック受診者の指導体制
1)指導内容
「結果説明会」として、受診者が以下の両方に参加。
・検査技師による検査結果の見方・読み方、各検査の必要性等の集団説明
・医師・保健師・管理栄養士等による検査結果に応じた個別指導
2)実施日・時間・人員
実施日は行政および関係部署と協議し、健診日の午後に週2回から3回実施とした。
集団説明および個別指導の時間配分を考慮して、開始時間を午後1時からとし、1時間に10名を1枠として、3枠設定した。
3)予約方法
結果説明会(集団説明および個別指導)のご案内、予約者名簿を作成し、当日の健診終了後、受付窓口にて受診者と「結果説明会」の日程調整を行なった。
【結果】
人間ドック等受診者に対する事後指導の実施件数は、平成14年度受診者数2,414名に対し1,490件、平成16年度受診者数2,936名に対し1,806件であり、実施件数での対比+316件増であった。
また、受診者数に対する指導実施件数割合は、平成14年度61.7%、平成16年度61.5%であった。
【考察】
今回の取り組みにより、経年的に増件する人間ドック等を受入、受診後の事後指導体制を整備することができた。と同時に、関係職種間の連携の重要性も痛感した。また、午前の事後指導実施により、要精検者の外来受診が可能となり、疾病の早期発見・治療への対応が迅速に行なうことができた。しかし、要精検者が健診受診後の事後指導を経て、外来受診するまでの包括的なシステムとしては確立されていないという問題点も解かった。今後の課題として精密検査に対する包括的体制の構築が必要であると考える。
これからも、地域に根ざした健康づくりの拠点として、住民の健康維持・増進を支援していきたい。
     

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© 2005 一般社団法人 日本農村医学会
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