はじめに
今回、職員の満足度を調べ、ケアの質の向上につなげるための第一歩として調査を行ったので報告する。
調査方法
対象者は当施設に勤務する職員105名。アンケートは無記名で指定の回収箱に入れてもらった。全31設問で、職場ビジョン、自己実現、コミュニケーション、金銭的報酬、安全・健康、社会的視点の6つの分類から構成した。満足度を5段階評価とした。
結果・考察
有効回答数は72(回収率70%)で、勤務年数別では5年以上が全体の65%、5年未満が35%であった。満足度平均点が最も高かったのは、自己実現で、ついでコミュニケーション、社会的視点であった。有給休暇やストレスを含む安全・健康や金銭的報酬では満足度が低かった。居心地の良さや働きやすさでは満足し、有給休暇が思うように取れなかったり、給料の少なさが不満としてあったようだ。勤務年数では、3年以上5年未満で満足度平均点が高かった。仕事になれ、やりたい目標を持ち、実践に取り組む時期であることがうかがえる。満足度平均点が低かったのは、5年以上10年未満であった。業務をこなし、頑張ってきたのに給料に反映されないなどの不満が出てくる時期かと思われる。
個々の設問では、「上司を信頼できるか」「上司に相談できるか」の設問で満足度が最も高かった。その反面「複数の上司から指示を受けて困ることがあるか」で満足度が非常に低い結果となった。部署内ではコミュニケーションが良好であるのに対し、他部署とは管理職を含め、連携がうまくとれていないことがうかがえる。また、「当老健を利用したいか」という設問で満足度が低く、働きやすいが、利用者の立場になると満足ではなく、決して利用者によりそったケアが出来ていないのではないだろうか。