日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
Print ISSN : 1880-1749
ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-A-7
会議情報

継続した教室と遠隔支援を組み合わせた教室
森 佳子日比 亜湖天野 早紀坂口 身江子布谷 佳子築山 こずえ片山 香菜子稲垣 弘山田 晴生
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

我々は対象者自らが振り返り健康生活を営み始めることを目標とし、継続型の教室と遠隔支援を組み合わせた保健指導を行ってきた。これまで介護予防教室として行ってきた動脈硬化予防教室にその手法を用いた。その結果を報告する。 【対象と方法】  平成22年12月~平成23年3月の105日間、全10回参加が原則の動脈硬化予防教室として、JAあいち豊田管内の女性部を対象に参加者を募り、19名に実施した。教室は10日~2週間おきに行い、初回に血液検査、頚部エコー、ABI検査などの項目を盛り込んだ動脈硬化健診を行った。また健診結果、簡易的な体力測定、質問票、自記式のシートを用いて自己の振り返りを促し、参加者自らが実現可能な行動計画を立てた。教室と教室の間は体重と計画の達成状況を毎日記録し、支援者が通信によって計画達成の補助(以下フォロー)を行った。また、教室の内容は生活習慣病の病態の講義、食事バランス、運動実践、調理実習などを中心に対象者間の相乗効果を狙ったグループワークを基本とした。 【結果と考察】  教室全10回の参加者一人当たりの平均の出席回数は7.7回、一回の教室当たりの出席者は平均14.6人、76.8%、最終回の出席者は16人で84.2%だった。全日程出席者は0名だった。体重の平均減少量は0.9kgで最大5.3kg減った者もいた。数名にLDL-CHO、TG、血圧で改善が見られた。質問票やアンケート調査では「21時以降ご飯を食べるのをやめた」「油ものを半分にするようになった」「体重記録が習慣になった」など生活習慣や意識の変化がみられた。「返事が楽しみ」「手紙をくれるのが自分を見ていてくれるようで嬉しかった」「教室がない間のフォローもモチベーションの持続につながった。」という意見が聞かれた。継続した教室に参加し、教室と教室の間も記録し続け、それに対して支援者がフォローをすることで参加者が生活を振り返り、自ら気付きが生まれた。 今後は動脈硬化予防教室としてではなく、新たに展開する生活習慣病予防教室に活かしたい。

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top