日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-C-19
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管理栄養士による食事を介した患者と家族の気持ちの支援方法
上咽頭癌患者への介入
山本 絢子柴原 弘明眞野 香木下 早苗植松 夏子今井 絵理青山 昌広西村 大作
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キーワード: 緩和ケア, 栄養
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抄録
管理栄養士による食事を介した患者と家族の気持ちの支援方法-上咽頭癌患者への介入 JA愛知厚生連 豊田厚生病院 緩和ケアチーム1) 同緩和ケア科2) 山本絢子1)、柴原弘明1)2)、眞野香1)、木下早苗1)、植松夏子1)、今井絵理1)、青山昌広1)、西村大作1) 【背景】食事は患者にとり身近な話題であるため管理栄養士を受け入れやすく、これに応じて管理栄養士は患者と家族の心のケアにつながる機会を得られる。他職種とは異なる視点から患者と家族への気持ちの支援方法を検討した。なお発表に際し家族より了承を得ている。【症例】70歳男性。上咽頭癌により入院、食欲不振があり個人対応を行った。当初は遠慮がちな態度であったが、病室訪問を重ねることで食事意欲を奪っている原因や悩み、思いを表出するようになった。また患者には嘔吐に対する恐怖心があり、もう一度自分の家に帰って好きなものを食べたい、そのためには食事に慣らしていかなくてはいけないという義務感にも似た感情が伝わってきた。そこで、まず少量の昼のみのスープ食から開始し、さらに頻回の病室訪問を行って患者と家族と十分な会話を交え、食事に対する不安感を取り除けるように心のケアに努めた。その結果、食事摂取が進み、前向きな気持ちをもつことで念願の外出ができた。【考察】精神的負担を軽減する段階的な食事調整が患者の外出を可能とした。頻回の訪室による患者と家族との会話から、心の悩みを受け止めたうえで食事調整へ反映することは管理栄養士の責務であろう。管理栄養士は、他職種では携わりの少ない食事に対する患者の気持ちに繊細に対応できるため、患者の栄養状態だけでなく心の状態を十分にとらえることが肝要である。
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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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