日本農芸化学会誌
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除蟲菊の水分と其の定量に就て
星野 耕三
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1943 年 19 巻 3 号 p. 175-179

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抄録

(1)市販除蟲菊乾花の水分含有量は季節に依り變化するものであつて新花の出廻り期の7月から10月頃迄の高温多濕の期間にありては水分含有量は13~14%の範圍であつて15%以上を示すものは水分多きに過ぎるものとし,11月より翌年6月迄は12~13%の範圍であつて14%以上のものは水分多きものとして除蟲菊檢査の際考慮して査定せられる樣提言した.
(2) 除蟲菊の吸濕性は強く速かなる事を,原花及び粗粉の無水物に就いて試驗し,除蟲菊貯藏,其の水分定量及びピレトリン定量の際に於ける參考とした.
(3) 除蟲菊水分定量に關し數種の定量法を吟味せるに眞空水浴法及びベンゾール又はトルオールを用ふる加福式水分定量法が大體近似の價を示す事を確め,著者としてはトルオールを用ふる加福式水分定量法を推奬した。
終りに本報告に關し研究及び發表の自由を與へられたる長岡駆蟲剤株式會社就長長岡佐太郎氏に深甚の謝意を表す.

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