日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
林檎果肉の褐變現象
(その2)林檎果肉呼吸のterminal oxidaseに就て
中林 敏郎
著者情報
ジャーナル フリー

1954 年 28 巻 3 号 p. 212-217

詳細
抄録

1. 林檎果肉のアセトン処理粉末のPolyphenol oxidase activityの諸性質を検討した.
2. 林檎果肉の切片を用いて其の呼吸のterminal oxidaseの諸性質を検討した.
3. 林檎果肉呼吸のterminal oxidaseはpolyphenol oxidaseではなく,むしろcytochrome oxidaseであろうと推定される.
4. 従つて剥皮した場合の林檎果肉の褐変はその呼吸とは無関係にpolyphenol oxidaseによつてchlorogenicacid及びcatechin類が酸化される為におこるものであり,食塩水による褐変防止はNaClがpolyphenoloxidaseを阻害する為であると考えられる.
本研究を行うに当り終始御指導を頂いた本研究室の大島康義教授に深く感謝すると共に,有益な御教示を頂いた福岡女子大の白川正治教授及び東北大の麻生教授に感謝する.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top