1954 年 28 巻 3 号 p. 236-240
1. 前報においてα, α'-dipyridylはBact. succinicumのオギザル醋酸の脱炭酸反応を強く阻害することを報告したが,クエン酸の嫌気的分解の際におけるC14O2のコハク酸カルボキシル基えの固定はdipyridylの添加によつて強く阻害される.従つてこの炭酸ガス固定がWOOD-WERKMAN反応によることは確実であり,クエン酸の嫌気的分解の際,直接的分解が行なわれることも明かである.
2. Dipyridylの存在下においても,クエン酸は毒物無添加の場合と同様の生産物を同様のモル比で与え,特殊の中間体が毒物の添加によつて多量に集積する現象は認められなかつた.