日本農芸化学会誌
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核酸系物質に関する研究
(第1報)カツオ幽門垂の核酸並に核蛋白について
守康 則
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1955 年 29 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

カツオ幽門垂に就て, Feulgen染色, OGUR法による紫外部吸光度, SCHMIDT-THAUNHAUSER法による燐酸の定量より核酸を定量の結果, DNAと共にRNAが存在することを知り,而して両者の著しき量的差異は認められない, POLLISTER and MIRSKY法によりDNAを単離, SAVAGE法のCHCl3の蛋白質に対する特異的gel形成の性質を利用して除蛋白,精製を行い,該核酸の酸加水分解物として, thymine, cytosineの結晶を塩基成分として単離,更らにpaper chromatographyによつて, purine塩基としてadenine, guanine, xanthine, hypoxanthineを検出した.核蛋白に就て,二次元paper chromatographyを行つた結果そのアミノ酸組成とLて, glyclne, alanine, aspartic acid, glutamic acid, threonine, arginine, histidine, proline, phenylalanine, leucine, tyrosineを検出した.これらの結果幽門垂核蛋白はnucleoprotamine., nucleohistoneの如き塩基性蛋白とは異なる構成アミノ酸をもつことが知られる.

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