1956 年 30 巻 4 号 p. 201-203
Asp. oryzaeのglucose単用培地による振盪培養について実験をおこない,合成培地による一次培養との比較もおこなつた. kojic acidの生成は,表面培養におけると同様,むしろそれ以上の割合で,一次培養より二次培養の方が沢山生成される.
前培養の日数を変えて,それが二次培養経過にどのように影響するかをしらべたところ, Fig. 3が示すように,前培養日数が長いほど,二次培養では糖の消費は減退するが,消費糖に対するkojic acidの生成量の比率は,前培養日数とは無関係に一定の値を示した.このことに関し, glucoseがkojic acidに転化される細胞内生理について考察を加えた.