日本農芸化学会誌
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ヒガンバナ鱗茎の炭水化物に関する研究
(第13報)新グルコマンナン“ヒガンバナマンナン”について(其の3)
水野 卓
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1957 年 31 巻 2 号 p. 142-145

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抄録

1. ヒガンバナマンナンを過沃素酸ソーダで酸化し,酸化開裂に伴うNaIO4の消費量,[α]Dの変化,粘度変化及び蟻酸生成量から重合度を明らかにした.
2. ヒガンバナマンナンの過沃素酸酸化により,“酸化ヒガンバナマンナン”を調製し一二の性質を明らかにした.
3. 得られた実験結果からヒガンパナマンナンの化学構造について考察し,次のような結論に達した.
“ヒガンバナマンナンはグルコース1部とマンノース4部とから成るグルコマンナンの一種で,鎖状構造をとり平均重合度約730,主鎖はβ-1,4-グリコシド結合で,存在する1/3のグルコース基から1,6-結合で分枝し,還元性末端基は存在せず,非還元性末端はマンノース基である”と.

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