1957 年 31 巻 6 号 p. 421-424
Bacillus amyoliquefaciens Fukumotoによる細菌アミラーゼの産生機構を知るため,先ずその洗滌細胞を用いた場合のアミラーゼ産生条件について検討した.その結果次のことが判明した.
1. 洗滌細胞は窒素源の添加がなくとも燐酸塩及び適当な炭素源の存在下に好気的に保たれるならばアミラーゼを産生する.
2. その際の好気的条件は細胞の呼吸に必要なためである.
3. 燐酸塩は緩衝作用以外に何等かの効果をもたらす.
4. 炭素源としては種々の有機酸,糖類,多糖類等かなり広範囲に亘る物質が有効であるがその効果には著しい差がある.
5. アミラーゼ産生力はlogarithmicphase後期の細胞が最も強い.