日本農芸化学会誌
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稲熱病に関する生化学的研究
(第10報)稲熱病菌の生理化学的分類に就て(其の6) 稲熱病菌のニコチン酸生成に就て
大塚 一止玉利 勤治郎小笠原 長宏本田 良二
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1958 年 32 巻 11 号 p. 893-897

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抄録
稲熱病菌47菌株を用いてチアミン欠合成培地及びニコチン酸添加合成培地に培養し次の如き結果を得た.
(1) チアミン欠合成培地で9菌株は比較的良く発育し,此等の菌株は培養濾液中にニコチン酸を0.17~2.91γ/ml程度生成する事を確めた.其の他の菌株はチアミンを必要とする.
(2) チアミン添加安全合成培地で一般に稲熱病菌は非常に良く発育を示した,而してチアミンの代りにニコチン酸添加培地で8菌株は比較的良く発育しニコチン酸がチアミンの代用になり得る事を確めた.
(3) チアミンを必須とする菌株をチアミン添加完全培地に発育せしめ0.11~2.69γ/ml程度ニコチン酸を生成する事を確めた
(4) 上記の事実にもとついて我々の従来行った稲熱病菌の生理化学的分類の方式を一部改正して13型に群別する事になった.
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