1958 年 32 巻 8 号 p. 636-640
(1) アセトン・ブタノール菌東大314及びKN18はStickland反応を行わないことを示した.
(2) 培地中のブドウ糖はCl. sporogenesのL-アミノ酸酸化酵素系及びアミノ酸還元酵素系のいずれをも生成の段階で阻害し,一方グルタミン酸脱水素酵素の活性が増大する.即ちアミノ酸依存の体制より解糖によるエネルギー獲得の体制に転換する著しい傾向を示した.
(3) Cl. histolyticumもStickland反応を行なわず特異なグリシンの醗酵を行い,CO2及びアンモニアを放出し,その際水素の吸収が認められた.Stickland反応の普遍性につき二,三の考察を行った.