1959 年 33 巻 10 号 p. 872-875
鶏卵卵白を蛋白質区分と非蛋白質区分とに分別する目的を以て,種々な等白沈澱剤について検討した結果,卵白をovomucin, ovomucoid,この両者以外の蛋白質, peptone並びに低分子peptide及びamino acid 区分に分別する方法を考案した.次いでこの方法を貯蔵卵に適用し,濃厚卵白及び水様卵白の経時的変化を究明した.その結果両卵白ともに構成蛋白質の分解は認められず, ovomucin及びovomucoidの減少,並びにこの両者以外の蛋白質区分の増加が認められた.よって以上の実験結果を基にして,さきに報告した貯蔵卵卵白の電気泳動分析の結果について考察した.