日本農芸化学会誌
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種実エステラーゼに関する研究(第4報)
米胚芽エステラーゼの活性化
小原 哲二郎小笠原 八十吉
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1959 年 33 巻 10 号 p. 876-880

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抄録

p-NP法を米胚芽エステラーゼの研究に応用するに当り,活性化に対する種々の検討を行ない,紫外線吸収測定結果から次のことを明らかにした.
(1) p-NP法による米胚芽エステラーゼ作用の至適pHは7.38附近であった.
(2)米胚芽エステラーゼの賦活剤としては周期律表上第2族aとMn++が考えられ, Ca++>Sr++>Mn++>Ba++>Mg++の順であった. Be++による活性化は認められず, Co++並にNi++は極く微弱であった.
(3)加熱失活粗汁液や透析外液による活性化から判断すると,米胚芽粗汁液中には賦活性物質が存在しているものと考えられた.
(4)エステラーゼによらざるエステラーゼ様作用を有する或種の物質が米胚芽抽出液中に存在している.

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