1959 年 33 巻 6 号 p. 433-437
Styrene-divinyl benzene共重合型強塩基性第4級アンモニウム塩型アニオン交換樹脂をクロール形として用いる糖精製に於て,使用樹脂母体の形成上,その多孔質性の度合を変化せしめる架橋剤としてのdivinyl benzeneの添加量を2~6%に変化せしめて製した試料樹脂I型多孔質性製品5件を対象とし,脱色,再生並びに色素汚染に対する多孔度の影響を検討した.その結果R-Cl~SO4交換に見られる溶出曲線はD. V. B.添加率の増加に比例して小となるが脱色効率は必ずしも同一傾向を示さず,サイクルの増加に伴う脱色率,再生効率並びに色素汚染率の関係は, D. V. B.添加率3%の場合が最も均衡を得た処理成績を得ることを認めた.尚,この場合D. V. B.添加率3%と4%との間には,本実験条件下に於ては大差を認められなかった.